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2009年5月

新型インフルエンザには、漢方薬が有効?

<新型インフルエンザには、漢方薬が有効?>

先日、キムチが新型インフルエンザに効くという韓国の話題をお送りしましたが、中国では漢方薬が効くとされているようです。

中国の広州にある製薬会社5社が、「漢方薬が予防に効く」などとする広告を地元紙に掲載し、大きな話題となっているそうです。

これは広東省の週刊紙、時代週報伝えたものです。

漢方薬大手製造会社の紀黄埔中薬が、「インフルエンザが突然発生しても恐れてはいけない、板藍根(ばんこんらん)が予防できる」との宣伝文句で、解毒効果があるとされる「板藍根」を発売しているそうです。

また、解熱剤の「小柴胡(しようさいこ)顆粒」で知られる製薬会社の光華製薬も、小柴胡顆粒は新型インフルエンザを予防できると広告しています。
そしてその有効性には、政府のお墨付きがあるような内容のようです。

しかし専門家の間では、「これらの漢方薬が実際に有効である事を示す臨床試験はなく、その効果は疑問」とされているようです。

また、中国で広告を掲載するには当局の許可が必要なのですが、その許可も得ていないため、近く中国省工商局は規制に乗り出すようです。

ありがたい事に、今回の新型インフルエンザはタミフルやリレンザが有効ですので、心配はありません。
しかし、前回のキムチ、今回の漢方薬等、やはり、より簡単に手に入る予防法も知りたいところです。

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マスクは、インフルエンザ予防に有効!

<マスクは、インフルエンザ予防に有効!>

新型インフルエンザの拡大で、ドラッグストアーのマスクが売り切れてしまいしましたね。

そのマスク不足の加熱ぶりを気にしてか、先日保健関係機関が、「マスクは感染した人が他人にうつさないために有効なのであって、感染予防にはならない」との発表を行いました。

何をいまさら・・・と言った気もしなかったのですが、私自身も本当にマスクがインフルエンザの予防に有効であるか気になっていました。

ところがタイムリーな事に、「手術用マスクを感染予防に使用することは、今回の豚インフルエンザに有効であることが分かった」と云う論文を見つけましたので、おしらせします。

この究報告は、国際誌journal Risk Analysis (2009, May issue)に報告されたものです。
そしてインフルエンザウイルス感染の原因となるエアロゾルなどの拡散を抑えることが感染拡大防止に対する効果的な手段であり、そのためには顔を覆うマスクの使用が重要で、これにより感染予防も可能とされています。

この研究は、スタンフォード大学のLawrence M. Wein博士らが、数学モデルを用いて、インフルエンザ感染を起こすエアロゾルの発生と伝播について研究したものです。

この論文によりますと、医療用の感染予防に使用されるN95マスクや手術用や歯科医が使用する手術用マスクは、インフルエンザの感染予防に有効であることが明らかになったそうです。

そして、より安価で手に入りやすい手術用マスクのフィルターでも、ウイルスの98%の侵入を抑えることができることがわかりました。

その一方で、ウイルス感染した人が使用して、他の人にうつすの抑える効果は僅か30%程度であったとされています。

この結果は、今までのマスクに対する考えを大幅に変える新たな知見であり、このタイムリーな研究報告を国内及び国際保健機関が注目しているそうです。

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キムチが新型インフルに効く?

<キムチが新型インフルに効く?>

新型インフルエンザの感染者が日本国内で拡大の一途をたどっています。

ところが、お隣の韓国や中国では、僅か数名におさまっているようです。
そして、韓国で新型インフルエンザが広まらないのはキムチの効果だ、という説が出ています。

それは、2006年から3年にかけて韓国食品研究院が、鳥インフルエンザに対するキムチの効果について行われた研究によるもののようです。

研究はトリとネズミを使って実験したものですが、キムチの抽出物を摂取した方が免疫を司る抗体値が高くなっていたそうです。
特によく発酵したキムチに、免疫効果を高める成分が多く含まれていたということです。

実際、キムチに含まれる乳酸菌に抗菌、抗ウイルス効果があることは、以前にも報告されています。

そのため、数年前にSARSが中国で流行した時にも、韓国人はキムチのおかげで感染しないとのうわさが広まり、キムチが売り切れになった事がありました。

さて、本当にキムチが効くのか気になります? 

また、韓国のお隣中国では、漢方薬が新型インフルエンザに有効と言う説が、広まっているようです。それについては次回お知らせすることにしましょう。

皆様、くれぐれも新型インフルエンザにはご注意くださいませ。

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豆腐を沢山食べると、痴呆になる?

<豆腐を沢山食べると、痴呆になる?>

 豆腐や納豆は日本だけでなく、アジアの誇る大豆食品です。
 大豆製品は、発展途上国における貴重な蛋白源としてだけでなく、先進国でも健康食として、"スーパーフード"とされています。

 ところが、豆腐製品を食べると、記憶力を低下させる可能性が報告されました。
 今までは、大豆製品が脳のダメージを軽減するので脳機能にもよいはず、とされていましたので、ちょっとショックな話題です。

 これは、インドネシアのラフバラ大学Eef Hogervorst教授らが、痴呆関連医学誌journal Dementias and Geriatric Cognitive Disorders誌に報告したものです。

 大豆製品には、植物エストロゲンと呼ばれる成分が豊富に含まれており、女性ホルモンのエストロゲンと同様の作用があるとされています。

 ところが、エストロゲン治療を受けた人は痴呆になるリスクが高く、65歳以上では痴呆のリスクが2倍に高まるという報告が、最近発表されていました。

 一方、インドネシアでは、テンペとよばれる大豆発酵食品をよく食べます。
 このテンペは、大豆を煮た後テンペ菌(クモノスカビ)で発酵させて作られる食品で、納豆菌で発酵させる日本の納豆に比べて臭気はなく、また糸も引かない伝統食品です。

 このテンペには、ビタミンの葉酸が豊富に含まれており、痴呆を抑制したり、記憶力の改善によいと信じられています。

 そこで、このテンペが、本当に痴呆の予防によいのか、或いは逆に痴呆を高めるのかについて、ジャワ地域に住む719名のインドネシア人高齢者を対象に調べました。

 その結果、テンペを1日1回以上食べた高齢者は、記憶力が低下しており、痴呆になるリスクが高いことがわかったそうです。

 そして、エストロゲンは細胞の増殖を高める効果がありますが、それは高齢者の脳には必要なく、逆に、高用量のエストロゲンは細胞に障害を与えるフリーラジカルの作用を強めるのではないか、とされています。

 一方、この報告には疑問の点も多く、例えばテンペを食べたことによるものではなく、インドネシアでよく防腐剤として使用されるホルムアルデヒドがテンペに混入していたのではないか、との批判もあるようです。

 しかし、高齢のアメリカー日本人二世の痴呆のリスクが、豆腐の摂取と関係しているとの報告もあります。
 豆腐をはじめとした大豆食品は、様々な成分が含まれている複雑な食品ですので、脳に何らかの作用を起こす可能性は考えられます。

 スーパーフードとして人気が高まっている大豆食品だけに、脳の機能によいのか悪いのかを明らかにするために、更に詳しい研究がまたれます。

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肥満の人、糖尿病の人は、カレーを

<肥満の人、糖尿病の人は、カレーを>

日本の代表的な料理といえば、寿司や会席料理が第一かもしれませんが、日常生活ではカレーライスでしょう。
なんたって、インドのカレーに比べて味の奥深さは格別です。

さて、私の大好きなカレーに含まれる成分が、糖尿病や肥満対策に有効との報告がありましたので、お知らせします。

ご存知のように、カレー粉には黄色い色素のターメリックが多く含まれていますが、このターメリックは、炎症、傷の治療、痛み止めなどに昔から使われてきました。

さて最新の医学書などによると、炎症反応は様々な疾病と強く関係しており、また2型糖尿病や肥満の原因ではないかとの説があります。
肥満に関与する炎症反応は、マクロファージと言われる免疫細胞が体内に広がり、心臓や膵臓などの臓器の炎症を引き起こすために、筋肉や肝臓のインシュリン抵抗性を増加させるというものです。

そこで、コロンビア大学医学センターのDrew Tortoriello博士らは、糖尿病のモデルマウスを用いてターメリックの肥満に対する影響を調べました(サンフランシスコで開かれた内分泌年会ENDO 2008で報告されたものです)。

研究では2種の肥満マウス及び2型糖尿マウスを使用しました。
すると、ターメリックを投与されたマウスでは、2型糖尿病になる頻度が低くなっていることが、マウスの血液中のグルコースレベル及びグルコースとインシュリン耐性テストの結果明らかになりました。

さらに、ターメリックを与えられた肥満マウスは、肥満組織や肝臓の炎症反応が低下していることも確認できたそうです。

ターメリックに含まれる抗炎症・抗酸化成分のクルクミンが、インシュリン耐性を抑制し、2型糖尿病を抑えられたと考えられています。

さらに、クルクミンを投与すると、脂肪が顕著に減少することから、クルクミンが体内の代謝全般にもに有益であると考えられるそうです。

肥満防止には様々な医薬品成分がありますが、いずれも安全性には問題があります。
ターメリックは安全な食品成分で、人の場合は少なくとも12g摂取しても安全であることが分かっていますので、ターメリックがたっぷり入ったカレーライスを食べて、肥満対策を・・・。

尤も、食べ過ぎると逆効果ですので、運動もお忘れなく。

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中国産蟻は、関節炎や他の疾病の予防に有効。

<中国産蟻は、関節炎や他の疾病の予防に有効。>

中国産の蟻は、変形性関節炎やリウマチ性関節炎の改善に、あるいは精力増強、貧血や骨粗鬆症の予防や改善を目的とした漢方薬としてよく利用されています。

この乾燥蟻粉末には、タンパク質、鉄、マンガン、カルシウム、亜鉛等のミネラルやビタミン1、B2、B12、Eなどを豊富に含有されていることがわかっています。

今回新たに、蟻の抽出液が、肝炎、細菌感染症等に対しても有効であることがわかったという話題です。

これは、米国化学会雑誌のJournal of Natural Products(2008, April, 25 issue)に報告されたものです。

Polyrhacis lamellidensという中国産蟻のエキスを調べたところ、関節炎、細菌感染などに有効と考えられている2種のポリケチドが見つかったということです。

このポリケチド (polyketide) とは、アセチルCoAやマロニルCoAから出来たポリケトン鎖を含む複雑な化合物の総称ですが、今までもマクロライド系抗生物質やポリエン抗生物質が実際に臨床応用されています。

古来から中国では、貴族が強壮のための秘薬として飲んでいたそうですが、そういえば以前、長距離走で驚異的な記録を作った中国の馬軍団も、蟻の漢方薬を摂っていたとか・・・。
今後の研究が楽しみな結果です。

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緑茶:脳梗塞を予防する

<緑茶:脳梗塞を予防する>  

脳梗塞とは脳にある動脈が閉塞し、血液が運ばれなくなってその支配下にある脳の組織が壊死してしまう疾患です。 

侵される部位により症状は異なるのですが、意識障害から手足の麻痺、あるいは言語能力が低下するなどさまざまな障害が出ます。 特にこれからの超高齢化社会の到来に伴って、最も注意すべき疾病の一つです。  

さて緑茶を1日5杯以上飲むと、この脳梗塞による死亡リスクが、男性で42%、女性では62%も低下するとの報告がありました。 これは、東北大学医学部公衆衛生学教室の栗山進一准教授らがまとめたものです。  

研究では、1994年から宮城県内に住む40-79歳の男女約4万500人を追跡調査し、 1日に緑茶を飲む量で4グループに分けて、その健康度を調べました。  

その結果、脳や心臓など循環器系の病気の死亡リスクは、緑茶を飲む量が多いほど低下していることが明らかになりました。 

死亡のリスクは、1日に1杯未満の人に比べて、5杯以上飲む人は男性では22%、女性は31%低下していました。 また、脳血管障害を見ると、男性は35%、女性は42%低下しています。 なかでも特に脳梗塞はリスクが低かったということです。  

さて、緑茶ががんの発生を抑えるとの報告が以前からありますが、今回の研究ではがんによる死亡のリスクとは関連はみられませんでした。 また、紅茶やウーロン茶でも、飲む量とこれらの病気の死亡リスクに関連はなかったようです。 しかし研究者によると、今回の緑茶の効果は予想以上であり、緑茶に含まれるカテキンなどの効果によると考えられるそうです。  

緑茶成分にはさまざまな可能性があります。 日本が誇る緑茶についての効果を、これからも益々明らかになることを願っています。

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抗癌剤による脳のダメージ

<抗癌剤による脳のダメージ>

抗癌剤は副作用が強く、癌化学療法を受けられた方は様々な副作用に悩んでおられます。
その現実を見ると、薬学関係者の1人として、心からお察し申し上げます。

さて、今回新たに、抗癌剤としてよく使用されている薬剤が、脳のダメージを起こす可能性が報告されていましたので、お知らせ致します。

これは、ロチェスター大学のMark Noble博士らが、生物学誌Journal of Biologyに報告したものです。

問題の薬剤は、乳癌、卵巣癌、大腸癌、胃癌、膵臓癌、膀胱癌などの治療によく使用されている5フロロウラシル(5-FU)およびその誘導体です。

今までもこの5-FUは、様々な副作用を起こすことが報告されていました。
例えば、食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、口内炎、腹部膨満感、下血、口角炎、便秘、胸やけ、味覚異常、口渇などの消化器症状。垂体外路症状、顔面麻痺、言語障害、運動失調、眼振、せん妄(妄想)、意識障害、見当識障害、記憶力低下、自発性低下、尿失禁が現れ、まれに白質脳症に至るなど、様々な副作用を起こすこと問題となっていました。

今回の報告では、それら以外に、記憶障害、集中力の欠如や極端な場合は視覚障害や痴呆なども起こる可能性が示唆されています。

今まではこのような症状は、抗がん治療の際の疲労、うつ症状、不安症の一部と考えられていたのですが、そのような症状が化学療法の後しばらく経ってから起こることに、筆者らは気づきました。

そこで、マウスを実験材料として5-FUを投与したところ、5ヶ月経って後に、脳のオリゴ樹状細胞が消失することわかりました。

このオリゴ樹状細胞は、中枢神経系や神経繊維を保護するミエリンの産生に重要な役割を持つもので、ミエリンが常時再生されない場合は、神経細胞間の伝達が阻害されることが分かっています。

これらの結果から、5-FUの化学療法を受けると、中枢神経系の変性が起こる可能性が示唆されています。

但し、今回の研究は動物を用いた実験ですので、そのまま人間に当てはめる事は出来ません。

また、5-FUは抗がん剤の中でもその効果に定評のある薬物ですので、その有用性と副作用を十分に勘案して、使用するか否かを決める必要があります。

癌が治っても、副作用で苦しむのは論外ですので、今後更なる研究を期待します。

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